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こころの勝利

 今年度のウィング最初の大会であるガールズエイト選手権が開催されました。まず先に結果を申し上げますと、予選1位通過、準決勝はアビエス(茅野)に1-0の勝利、決勝はトップストーン・ロゼッタに3-1の勝利での優勝でした・・・。

 では、県の少女リーグ戦はどうだったか、というと、最終成績は県内全10チーム中で5位だったのでした。でも、それは「全員出場」と「全選手のレベルアップ」を意図したものなので、少数精鋭にすることなく、みんなで巧くなろうという意識のもと、選手には取り組ませていました。また、今後の継続的なチームの発展には必要なことなので、ここ数年、指導スタッフとしては毎年そのような気持ちの余裕を持って取り組んでいました。

 しかし、選手は、というとなかなかそうはいきません。前向きに、プラスに理解するのは至難のことです。特に結果が伴わない、内容も伴わないとなると、トレセンに選考されている選手にとってはフラストレーションが溜まる試合があったことと思います。

 ・・・そこで、新たな取り組みを始めました。

 以前、日本協会のHPにて、女子のテクニカルレポートが発表された記事を見かけた私は、女子チームの監督として、資料を取り寄せたい旨を直接日本協会の技術部宛てに送り、10部ほど取り寄せることが出来たのでした。
 その資料の中で、後半部分にあった、フィジカル、メディカルの指針とともに、メンタルの指針が非常に参考になりました。そこに書かれていたのが「メンタルボード」の理論だったのです。

 よく、逆境をプラスに考えたり、寛容的で、心理的に余裕があったりする姿を「器が広い」という表現を使うことがあります。今まで、それをなぜ「器」と表現するか、私にもずっとピンと来ないところがありました。しかし、その器の広さには、それに見合うだけの知識や知恵や技術などを乗せることが出来るのだ、ということに気づかされたのでした。
 心理的要因が狭いと、その上に乗る技術は小さいですし、外からのパワーにはじかれて、「器」であるところの「メンタルボード」から落ちてしまいます。ですが、リラックスの仕方を知ったり、物事を上手くプラスに考えられるようになったりすると、メンタルボードが広くなり、その上に乗る技術も大きくなるとともに、外的パワーも取り込んで自らの技術として増幅させてしまうことすら可能になる、という理論だったのです。

 これに基づき、選手の評価の基準としていた、指導育成の目安を改良することが出来ました。
 (感情的ではなく)論理的に物事を考え、きちんと指導者や仲間と話せるかどうかや、女性特有のグルーピングによるトレーニングの効率低下を避け、仲間とともに積極的に向上心を持ってトレーニングに取り組むことや、逆境に対するプラス思考などについて、選手と対話し、求めていくことにしたのでした。

 そういう資料を作成しつつも、実はこの大会、初日に私が参加出来ないことはだいぶ前から分かっていました。ですが選手にはスタッフであるコーチ陣に全幅の信頼を置いていること、一つ一つの試合を冷静に臨み、チームの仲間とともに全力でコミュニケーションをとりながら解決していこうということなどを話したのでした。それが、当日の結果として結び付いたのでした。でも、初日の第一試合はまだ、その過程にあったようで、仲間の信頼を築けない精神的にも苦しい試合だったようです。

 しかし、そんな時、支えとなったのが、今まで他チームに対して日頃から優位性を持ってトレーニングに取り組んでいた「技術」だったのでした。私も二日目は仲間の技術を褒めて励まし、選手同士の一層の信頼関係を築けるようコミュニケーションを図りました。

 大会全体を通して、何も知らずに外から見れば技術の勝利ではあったのかもしれません。しかしそれは心の余裕が出来たことによる「こころの勝利」だったということ、こころの器が大きくなったことで、その上に乗る技術・戦術がより大きくなって、選手全員が一層レベルアップすることが可能になった、その結果の優勝ということだったように感じました。

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Comments

私はF県スポーツ少年団コーチです。
指導コラムを拝読していて全く同じ気持ちでいます。
こちらの地区でもクラブチームなどはプレイヤーズファーストでどんどんチャレンジさせているチームも多いのですが、
やはりその一方で少年団チームなどでは選手を恫喝しながら“駒”とするような扱いが未だに多く見られます。
試合中ミスひとつで怒鳴られグランドを走らせ続けられる光景が未だにあるのです。
自由を奪われまるでロボットの如く懸命に動く子供たちが不憫でたまらなく感じております。
自己実現の欲求を満たす為に子供を利用する指導者がまだまだ数多く存在するという問題を、協会はもっと真剣に考えないといけないと思います。
ベンチから恫喝を続けるような監督は退席させるなど、
日本のサッカーを真剣に考えるなら4種から厳しく管理すべきだと思います。
指導者が何を目指すかは本人の自由ですが、子供達からサッカーの楽しさや愛情を奪う権利はどこにもありません。
自チームで今まで何人の子供達がサッカーを辞めてしまったのか、真剣に向き合って欲しいのです。
暴言を浴びせておいて「心を育てているんだよ」 、
こんな言い訳や勘違いをしているエセ指導者には早く引退して欲しいというのが切なる願いです。

Posted by: | August 11, 2009 at 08:29 PM

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Tracked on July 27, 2009 at 08:01 AM

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