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悲しい、というか恥ずかしい記録(その1)

 「JFAニュース」という日本協会が出している雑誌があります。これはチーム代表などには直接配布される冊子なのですが、その冊子のNo.264、4月情報号のある資料を見て、愕然としました。
 それは、「『JFAキッズプログラム』の推進」の記事です。そこには一目瞭然の棒グラフが掲載されていました。今までキッズの必要性についてはブログでも小出しに語ってきましたが、他県との差をこれほどまでに見せ付けられるとは思いも寄りませんでした。
 参考までに、全国トップの滋賀県では、2005年におけるU-6の巡回指導参加者数が6万3千人、その他の事業と、U-8、U-10も含めた全ての実績と重ね合わせると、なんと延べ7万4千人の実績をつくったそうです。これはジュニア以下の人口比の3割以上だそうです。一方で長野県では、U-6の巡回指導が300人、同様に全実績で747人・・・。同人口比にしてなんと0.2パーセント・・・。三重、宮崎に次いでの全国で下から3番目の実績でした・・・トホホ。でも、各カテゴリの実績などと絡めてその2県と比較すると、むしろ長野はその下に位置してしまうのでは・・・。この実績は相当に深刻と捉えるべき数字でしょう。
 山雅、エルザ、大原学園などのクラブチーム、ジュニアユース主体のクラブチームなどがキッズの活動に力を入れていると言っても、キッズ委員会や女子委員会でどれほど頑張ってキッズのイベントを行ったとしても、その数字の開きには相当のものがありました。そして、地区の育成会活動という枠組みが小学生年代なのだという考え方に凝り固まっていると言うか囚われている以上、スポーツ少年団と言う組織も、キッズにはなかなか取り組めない、あるいはサッカーをするのは、サッカーだけに取り組むのはその後でもかまわないと言う考え方が未だに大いにあると言えるでしょう。

 実はキッズプログラムのポイントはサッカーへの「青田刈り」ではありません。ゲーム遊びなどに没頭する時間の多くなった子どもたちに、もっともっと外遊びの楽しさ、大切さを伝えるためのプログラムです(参考資料:JFAホームページ・キャプテンズミッション3の記事「佐賀県佐賀市生活情報誌に掲載された木下敏之市長のコラム」より)
。サッカーの技術的側面よりも、内容を見る限り、「遊び」とか、「楽しさ」がこのプログラムでは強調されているのはそういうことからなのでしょう。しかし、この外遊びが少年期のスポーツを始めるにあたっての大きなアドバンテージにつながるのです。だから、仮にキッズプログラムでサッカーをしたとしても、その後に他のスポーツをしていく時にも、その経験が運動感覚や動作の要素に大きな良い影響をもたらすとともに、その「ワーワー、キャーキャー」言うような笑顔をつくり出す楽しい経験自体が子どもの良い情操教育になると考えているのです。実際の指導現場でも、3.4年以降に入団してくる選手の走り方やバランス感覚、ボールを扱うにあたっての軌道を捉えるなどのボール感覚には、課題が見られるケースがどうしても多いように思われます。これは全ての選手に当てはまるわけではありません。それまでの「遊び」の質が問われるのでしょう。
 しかし、これほど参加者数に差が出てしまうと言うことは、実績をつくっていくにあたり、「何か」が足かせになっているとしか思えません。果たして周囲から予想以上に「青田刈り」の印象を持たれてしまっているのではないか、それが、「サッカー」と言う大枠で捉えられず、「○○クラブチームがキッズの指導をして、地元選手の青田刈りをしている」などと言う狭量な思考に至っていないか、「スポーツ」とか「教育」とか言う大枠で捉えられず、「サッカーだけが幼稚園に来て、子どもたちを抱え込もうとしている」などという狭量な思考に至っていないか、そんな懸念さえ抱いてしまいます。
 各地区の教育委員会ともっと積極的にコラボレートして、巡回指導の実績でU-6、U-8、U-10の子どもたちにボール遊び、外遊びの楽しさを提供していきたいものです。県協会ではキャラバンカーを用意して、クラブチームの選手とともに巡回指導に回れるよう、準備をしているようです。地元少年団とクラブチームもまた、お互いオープンマインドで協力し合い、サッカーが「好き」「楽しい」「面白い」と言ってくれる子どもたちをより多く増やせるようにしたいものです。

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Comments

TBありがとうございます。
ところで、エントリー内容からはちょっと話がそれるのですが、恥ずかしいといえば長野県サッカー協会のオフィシャルHP。いつになったら「全日本少年サッカー大会組み合わせ表」のところ、29回のものから今回のものに変わるんでしょうね。百歩譲ってUPが遅れるのは仕方ないにしても、昨年のものにリンク張ったままってのはどうかと思います。

Posted by: なおこ | May 17, 2006 at 10:11 PM

 これは少年委員の方々の平均年齢が大分高くなって来ていることに一因があるように思います。県協会のWeb担当については確かに人材不足の状況はあるものの、届く情報については結構速やかに対応している様です。しかし、4種の修正などはHPを見ながら少年委員の方から指示をするべきでしょうし、昨年はその場でプリントアウトするくらい、的確な対応をしていたはずなのです。ところが、今年はまた逆戻りで、紙に手書きで進めていたために、未だにデータとしては作成できていないのでしょう。Web担当の手に届くまでまだ時間が掛かりそうです・・・。
 「メディアリテラシー」という言葉があります。私とてその用語に当てはまる情報処理能力にはいささか課題があると思っています。しかし、年配者が多いと言うことはすなわち、この能力については尚のこと疑問符が付かざるを得ません。身近にパソコンの出来る若手のスタッフを付けるなどして対応すればいいのですが、長年の付き合いで、馴れ合いというか、内輪にこもってしまっている様な感じが否めません。

Posted by: 小林コーチ(当ブログ管理者) | May 18, 2006 at 09:51 PM

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