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サッカーカンファレンス長野所感その2

 コメント、ありがとうございます。楽しく拝見いたしております。視点を変えて分析したり、「なぜ?」を掘り下げたり・・・(トヨタ自動車のお膝元らしいコメントでした)、指導者としての楽しみは、そういう所にもあると思っています。
 コメントの返事はコメント内で掲載しましたので、今回はカンファレンス所感、その2です。
 先日のカンファレンスは、ジュニア(4種、小学生以下の少年・少女)年代の指導者に特に講習を受けて欲しい内容になっていた「はず」でした。しかし、フランス・ボルドーからいらっしゃったジャン・ジャック氏の講演では、どうやら育成そのもののターゲットが、ジュニアユースから、ユースにかけてであって、そのトレーニングの解説に時間の多くを費やしていました。
 ジュニアの育成について触れるのであれば、フランスで言うところの「8歳以上」から「13歳以下」のところの内容をより深く掘り下げて、そこでのトレーニングや、スケジュールなどを話してもらえた方が良かったように思いましたが、そこは結構あっさりと済ませてしまいました。その点で、「フォーカスコーチングのターゲットがややずれた」と表現した、という訳です。事前に協会の技術委員にて、ジャン・ジャック氏に「今回は日本で言うところの12歳以下の選手の指導についてがメインのテーマになりますから、そこを中心に講演をまとめて欲しい」と伝えれば済んだ話のような気がしますが・・・どうだったのでしょうか?

 でも、一方でよーく判ったことがあります。日本では、12歳のゴールデンエイジまでにパーフェクトスキルを身に付けさせ、それまでに技術に取り組んでいくべきだと言っているため、拡大解釈が横行し、それ以降は「テクニックについてそれほど重きを置かないで、戦術的なことに移行すべき」というような様子がありました。長野県内のジュニアユースクラブ、中学校、高校年代で、そういう拡大解釈のもと、指導が行われているのではないかと思われるフィジカルをベースにしたサッカーや、極端にタッチ数を制限させるようなパスのみのサッカーを強制指導している様子が見受けられたように思うのです。
 仮にそういう指導になってしまった場合、中学・高校からサッカーを始めた初心者はそのサッカーの犠牲になって、なかなか技術は身に付かず、システムや勝敗にしか着目できないサッカーファンになってしまう恐れがあるのです(指導者としての潜在需要としても・・・)。一方で、技術的に高い選手が、テクニックにこだわっていたら、「さっさとボールを離せ!」とか、「ふざけているな!」という指摘を受けたということも見聞きしています。メールにてコメントを頂戴したこともありました。余裕を出せること自体がその選手の能力なのに、その点については過小評価どころか、目を向けてもらえないケースもあるそうです。うーん、残念なことです。
 また、とかく、少年年代と異なるトレーニングをするんだというのを強調するチームも見掛けられるようですが、ジャン・ジャック氏の解説(トレーニング内容を示した年代別の一覧表)では、どの年代でも、テクニックのトレーニングは決して省く事はありませんでした。つまり、育成年代では、最初から最後まで、テクニックにこだわりを持って、継続的にトレーニングに取り組むべきだということなのです。
 また、コーディネーショントレーニングの重要性も強調されていました。私たち週1回の練習のような少女のチームでは、そのために時間を割くことは、出来るだけボールを触らせたいため、効率的に見て大変難しい課題ですが、ほぼ毎日トレーニングを行う、中学生以上の部活動などでは、1週間のトレーニングスケジュールの中できちんと導入を図っていく必要があるのだと思いました。
 受講者の中には、未だに多い、部活動の選択上、中学・高校からなどのやや遅めのサッカーを始める初心者に向けての指導に頭を悩ませている学校関係の指導者も多いようで、受講者からの質問でも、きわめて基本的な「蹴る」の指導のコツについて問い合わせたため、まるで、「この方は何を聞き出したいのだろう、誰でも解っている、教科書にも書いてあるような基本のこと、あるいはキッズ年代で遊びのサッカーの中で自然と会得していくような内容をどうして聞いてくるのだろう」と言いたげなほどジャン・ジャック氏が通訳との間で戸惑いを見せている様子が見受けられました。逆に言えば、小学校の体育のサッカーが、いかに協会の「U-12指導指針」の内容と大きな隔たりがあるか、ということも示しているように思えますが(日本協会も体育の教科書にテコ入れをしているのかなぁ)・・・。毎月サッカークリニックの後半に、スポーツビデオの仕事をされている方のコラムが掲載されていますが、今月の記事の方がむしろ参考になりそうな感じです。
 こうした意識の乖離が生じてしまったのは、強化委員と、現場サイドとの大きな感覚のズレがあったからではないでしょうか。伝えたいこと、伝えて欲しいこと、それぞれが少しずつズレていて、結果的にそのズレから、「目からうろこ」とか、「雷に打たれた」というような印象は持ちにくかったように思いました。
 その2についてはもう少し、他の講演と絡めて、別の観点から触れてみたいと思います。

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