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アイビーリーグ最終節にて

 ちょっと感じた事をお話しようと思います。子どもたちの技術を自由にトライ出来る場所として提供されたアイビーリーグですが、ノープレッシャーのキック力コンテスト自体にも、「子どもたちが技術に自由にトライできる場所ですからいいですよね」と大義名分を取り付けているコーチがいて、「あー、もう長野県的だーっ」と思ってか・な・りがっくり来てしまいました。バックパスをもらった選手のムダ蹴り、ドカ蹴りや、キーパーのパントキックがそのままゴールに入って、大喜びみたいな・・・。本質的な課題には目を向けず、結果と大義名分とで指導する状況・・・。果たして、ふ、ふじいろのユニフォームの子どもたちの将来は・・・。
 サッカーカンファレンスでフランスのジャン・ジャック氏が言っていました。「育成年代で勝たせたければ、後ろにキックの出来る選手を置いて、前にはその大きなキックに追いつく足の速い選手をつければよい。でも、それでは、その子どもたちに将来的に見てよい技術を与えることにはつながらない。育成年代でやみくもに勝ちを求めることは決して望ましいことではない。」というような内容で・・・。

 高学年のアイビーのゲームを遠くから見ていても、キーパーのパントキックが多くて、実は心配をしています。同じく先日のサッカーカンファレンスにて、全日本少年大会のテクニカルレポートのビデオで紹介されたように、いわゆる「悪い例」では、キーパーがキャッチした後の攻撃への切り替えが遅く、なおかつ、味方の上がりを待ってからのキーパーのパントキックで始まるケースが圧倒的に多いことが報告されています。それに対し、Jの下部組織など技術の高いチーム、あるいは「よい例」では、キャッチング直後の周囲の選手のボールをもらう動きに、素早くかつ適切な準備動作がなされていて、キーパーからのスローイングでも、技術を出しながらきちんとビルドアップ・ボールポゼッションできているのです。
 かつて、私のHPで、サイドバックの技術の高さを求めたり、サイドバックの楽しさをコメントしたことがありますが、キーパーにパントキックばかりさせているということはすなわち、サイドバックの選手はボールを受ける予備動作を全くトレーニングしていないということになります。また、そういう自陣に近い位置から、相手のプレッシャーを受けつつも自分の技術を出しながらつなごうとすることを実践していないことにもなるのです。つまり、アイビーのように、せっかく技術にトライできるチャンスなのに、そういう場で「自由にトライさせていない」ということになっているのです。なんという矛盾・・・。
 この日はウィングも3.4年生の男子を相手にコテンパンにやられていましたから、ついついキーパーは怖がって陣地回復のためのパントキックをしようとするケースがありました。でも、それよりもサイドで選手がもらえるよう、相手との距離をつくる予備動作を要求して、スローイングからのボールを受けさせるようトライさせました。すると、自陣ゴールに近いので、ミスを避けるためいいトラップをしようと意識します。プレッシャーを避けるため何とかかわそうとします。結果的にプレッシャーを受けた中での技術にトライすることになっているのです。また、キーパーも、ただ強く・大きく蹴るのではなく、前線の味方選手との距離やコースを意識したキックにもトライしてもらいました。こちらはノープレッシャーですが、逆にキャッチ後の判断のスピードを要求しながら技術を出すことにつながるはずです。女子との対戦の時に、この男の子たちから受けたプレッシャーの中でのビルドアップのトレーニングが必ず役に立つことでしょう。
 幸いにも対戦相手のチームの少年たちは相手をかわそう、きちんとボールをつなごうという意識の高いチームで、やりがいがありました。ウィングの子の中には、「強すぎてやりたくない」というような発言もありましたが、「せっかくだから、あの上手い選手の技術を良く見ておこうよ」「出来ればまねをしてみよう」「どういう風に相手をだましているかな?」とコーチングしたら、マイナス意識も解消しました。
 また、ゲーム待ちのチームの中に、アップの光景でリフティングやトラップの技術に面白さを積極的に出そうとしている様子も伺えました。コーチの中でテニスボールのリフティングに挑戦している方も・・・?ぜひ子どもたちの前でお手本を見せて、子どもたちにもトライさせて欲しいものです。決して課題のみが目に付いたアイビーリーグではありません。子どもたちだけでなく、指導者も技術的課題に向けて「自由な発想でトライ」している姿が見かけられました。
 今年度のアイビーはこれで終わりになりましたが、反省点をこのように少しばかり提示してみました。新年度のルールに反映されるかどうかは判りませんが、参加チーム同士で意識しあって、特に明文化しなくても、こういう長野県特有の技術的課題に(指導者の意識も含めて)積極的に取り組むアイビーリーグになっていけたらいいなあと思ってしまいました。アイビーだけではありません。各地区のリーグ戦やローカルな大会などでは、そういう意識でプレーするチームがあってもいいように思いました。先週のカンファレンスにも絡めてコメントしてみました。

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