« 近況報告 | Main | 指導者の謙遜 »

中高生の居場所

 最近、仕事でタイトルにあるような記事を扱うことがありました。それに関連して感じたことを述べたいと思います。
 「中高生の居場所」(青少年の居場所)というのは、部活動や課外活動、スポーツクラブや塾などに行っていない生徒に対して、放課後の活動できる居場所を市の方から提供します、というものです。実際に、生徒向けの広報で、体育館や公民館などを提供するという案内がされていました。
 かつては「教育県」という言い方で長野県を表現していた事もあり、生徒の放課後の活動は、学校を基準にしていました。従って、文化系・体育会系いずれかの部活動でほとんどを占めていたものですが、現状はどうなのでしょうか。必ずしもそうではありません。帰宅部と称した生徒も多くなってきています。また、様々な活動とともに、それを続けていくものと、続けられないものとの「差」も生じつつあります。後者にあたる生徒の居場所、これが現状不足していると言うことなのでしょうか、こうした案内が出てくるのだと思われます。

 さて、そうした居場所ですが、私たちサッカー関係者からすると、どうしても物足りなさを感じてしまいます。部活動、クラブチームなどに所属していないサッカー好きな生徒は中学・高校ともにいるのですが、公園はサッカー禁止、芝生は立ち入り禁止と、なかなか「居場所」となるべき施設は身近なところには存在しません。かろうじて私の住む近所の公園はスポーツを楽しめる広場がありますが、広さとしてはまだまだ物足りないです。芝生のある公園も、基本的にはサッカー禁止で、唯一の公園は西南公園のみで、しかも貸し出しです。こうした状況を見聞きする限りでは、のびのびと体を動かせる場所があまりにも不足しているのではないでしょうか。
 しかしながら、残念なことに、現状ではこうした屋外の「居場所」となるような公園・グランドが新たにつくられることは無いようです。また、現状の施設も、基本はスポーツ活動に対して貸し出しを行うだけのようです。なんとかこうした現状が改善され、スポーツを楽しんだり、中高生の居場所になったりできるような公園・施設・施策が整えられたら、と願うばかりです。
 もう一つ、「中高生の居場所」について。昨年夏、東信地区のU市の夏祭りの際に、駅前でたむろする女子中高生が問題になったという記事を見かけました。また、松本でも、「カラーギャング」という少年の集団が問題になったことがありました。なぜ、こうした問題が生じるのでしょうか。
 それに関して、ちょっと興味深い情報があります。U市地区、実はスポーツ少年団活動が非常に多く、県内の登録数でもトップなのだそうです。また、育成会という、いわゆる地区・町会での活動も非常に盛んで、市では、育成会対抗のドッジボール大会やサッカー大会が行われるのだそうです。
 これだけを見聞きする限りでは、健全なスポーツ活動が行われているように思いますが、どうでしょう、スポーツ少年団も、育成会も、主に小学生が対象なのです。従って、こうした活動から離れる中学・高校で、部活動などに活動の場を見いだせない場合、まさに「居場所」を失った状態になるのではないでしょうか。
 それから、「カラーギャング」の少年はサッカー少年だった、という話を耳にしたことがあります。(以下は推測に過ぎませんが・・・)クラブチームの活動に対して折り合いがあわず、また部活動に戻ろうとしても冷たくあしらわれる・・・。あるいはクラブと部活動との大きな「差」の中で、実力・精神状態ともに中途半端な状態にあったのかも知れません。
 現在、プロのクラブチームを目指して、底辺からトップ(これは年齢・カテゴリーだけでなく、競技志向の差も表していますが)までを抱えた活動をしているチームが出てきましたが、一貫して受け入れられるスポーツクラブはまだまだ少ないのが現状です。また、サッカースポーツ少年団の活動もこうしたクラブチームとどう折り合いをつけていくべきなのか、方向性を問われる時期が来たように思います。そう、スポーツ少年団は体育協会の規約の中では小学生年代に限られているのですから・・・。
 そして、こうしたクラブチームの動向は、どうしても女子が後手になってしまいがちです。前述のU市地区には、女子のサッカークラブが存在しません。育成会対抗のサッカー大会は、協会関係者が見ていてもなかなか面白く、興味深く、素晴らしいものなのだそうです。しかし、選手たちは協会登録をしているわけではなく、狭いコミュニティの中で活動を完結してしまっているようなのです。私は何も選手全員を協会登録しなさいと言っているのではありません。選手たちの中から、サッカーを続けたいと思う子が出てくるであろう環境を提供し、整えていながら、その受け皿となる活動・生涯スポーツとなるような形には全く活かされていないのが現状なのです。
 ハードとソフト、「中高生の居場所」にはいずれも課題が山積のようです・・・。

|

« 近況報告 | Main | 指導者の謙遜 »

サッカー」カテゴリの記事

スポーツ」カテゴリの記事

女子サッカー」カテゴリの記事

学問・資格」カテゴリの記事

少年サッカー」カテゴリの記事

心と体」カテゴリの記事

教育」カテゴリの記事

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/70697/2572504

Listed below are links to weblogs that reference 中高生の居場所:

» コラム:部活について一言-Phase 2- [スポーツ侍の「本を読む!」徹底して読む!]
 「スポーツ・ビジネス」と「地域密着型スポーツ・クラブ」。日本でこれらの言葉が多 [Read More]

Tracked on January 14, 2005 at 10:54 PM

« 近況報告 | Main | 指導者の謙遜 »